全日本学生弁論大会
 

弁論とは

弁論とは何か。これについては各大学の弁論部によって認識が異なってくるものです。
とはいえ、形式としては、演説やスピーチに近いものを想定していただければお分かりになると思います。演説に近い形で弁士は自らの言説を発表し、この後に質疑応答があります。弁論の特別である点は、この言説の発表の中にある議論です。弁士は言説の発露の中で、聴衆からの野次を受け、質疑応答でもその一貫性、正当性、バックグランドにある哲学について厳しい質疑が飛びます。弁論とはこのように、一方通行的なものではなく、聴衆との議論を伴うものなのです。

弁論

本大会では弁論の持ち時間は10分(最大11分)となっています。この時間の中で弁士は自らが思うことを聴衆に対し自由に説得することができます。弁論は大きく分けると、「〜〜という政策をぜひ導入すべきだ!」と主張する政策弁論と、弁士の持っている価値観を聴衆に広めようと説得する価値弁論の、2つがあると言われています。

弁論はただ自分の書いた論文を発表する場ではありません。目的は聴衆の説得ですから、何よりもまず聴衆に分かりやすく伝わることを重視します。目で文章を読めば分かることでも、聞いて容易に分かるとは限りません。また話し方の技法もいろいろありますが、いくつか例を挙げると、身振りや手振りを使うこと、ただ同じ声調で読むのではなく特に伝えたいところに抑揚をつける、などがあります。実際に弁士が弁論において、どのような分かりやすく伝える工夫をしているかに注目するのも、弁論の一つの楽しみ方でしょう。

野次

弁論中は聴衆も黙って聞くのではなく、弁士の主張に対して思ったことを野次として発することができます。(野次のことを不規則発言と呼ぶこともあります。)初めてお聞きになる方はその激しさに驚かれるかもしれません。特にこの野次の存在は、他のスピーチ大会と一線を画するものでしょう。

もちろん主役は弁士の弁論ですから、弁論を邪魔しないように簡潔にしなければいけません。それでいて本質を突いた野次というのも、簡単なように見えてなかなか難しいことです。実は弁論を引き立てるような野次も、弁論同様に何回も経験して技術を磨くものなのです。そうは言ってもやはり野次は聴衆の皆さんが弁論に参加するためもの、まずはお気軽に思ったことを呟いてみてください!

また弁論には"お決まりの野次"があります。弁士が弁論を始める時は「期待するー!」と会場を盛り上げ、そして質疑応答を終えた弁士が降壇するときには「弁士お疲れー!」と労ってあげてください。

質疑応答

弁士が持ち時間の弁論を終えると質疑応答の時間に移ります。聴衆は弁論を聞いて疑問に思ったことを弁士に質問することができます。質問がある方は挙手をして下さい。また弁士の回答を受けて、更に疑問に思ったことを関連して質問することができます。